田植え以降オタマジャクシを狙って小動物が
毎晩田んぼに侵入する。
暴れまくって大事な苗を泥の中に踏み込んで
昨日まで元気に育ってた苗が相当な範囲で
毎日泥の下になくなってる。
そんな田んぼを毎日毎日手で植え直しする。
それがまた次の日には相当な範囲で
泥の中に消えてる。
それはかつてないほどの広い範囲。
体力が続く限り植え直しで抵抗したけど
さすがにもう限界。
悔しいけれど動物たちに降参、
もう植え直しは諦めることにした。
小動物に限らず田んぼに続く水路や畦や
農道や取水口などがどんどん壊れていく。
毎年一人で修理して回るけど、インフラは
それ以上のペースで壊れていく。
仲間で協力したくても周りは高齢化しすぎた。
狭い範囲の趣味の米作りなら田んぼを
守れるけど。
せっかく手間もお金も愛情も時間もかけて
田植えした苗が毎日広範囲で泥の中に
消え続けるなんてくやしくてたまらない。
増え続ける猪、鹿、小動物の獣害、
インフラの崩壊、伸びる日陰、人口減、
労働力の高齢化、山間地での効率の悪さ、
農機具の高額化etc
お米を作る環境は32年前に比べ確実に
悪化の一途を辿っている。
プロの農業経営視点からすれば、ここは
とっくに限界水域を超えている。
もしここに「プロ農家としてお米作り
始めたい!」と言う人が来たとしたら
「残念だけどここでは無理」と
全力で反対するに違いない。
山の中の集落の現実は日本中に数え切れない
くらいあってこれからもどんどん増えていく。
32年ずっと農業や地域の衰退を見続けてきた。
農村に限らず日本全体も弱くなり続けてる。
それは海外に行くとヒシヒシと感じる。
だからか「日本を強く!」なんて
言葉だけ勇ましい人たちのことを
私は山の中からかなり冷ややかに見ている。
山の中の小さな米農家ができることは
なんだろう。
とりあえず明日も草刈りをがんばろう。