神の領域

種蒔きから2日目、白くニョキニョキ
出てきたのが稲の芽。

種から芽を出す、土から芽を出す、
根を張る、新葉を出す瞬間は
神の領域。
どんなプロ農家も手出しはできない
いのちの領域。

全部任せるしかない。
全部委ねるしかない。
だから農家は昔からひたすら祈願してきた。
昔も今もその願いや祈りは変わらない。

私は仏教神道キリスト教など
特定の宗教を持たない。
でも無事で芽を出して欲しい、
スクスク育ってほしいと
種や小さな芽に自然に手を合わせる。

いのちは育てようなんてしない方がいい。
そのいのちの成長の邪魔をしないように
邪魔にならないように気をつける。
気をつけてその成長を見守って喜ぶ。
それが農家の役割のような気がしている。

生まれたばかりの小さな芽はすごく脆弱。
雨が多く湿度が高いと土にカビが生えやすい。
カビが蔓延すると全滅する。
しばらくは気が抜けない祈りの日々。