体質

警視庁警察学校は大卒で6ヶ月。
18万円の初任給で、寮費も被服費も食費も
東京都の税金で無償だったから手取りは
月15万円ほどあるはずなのに、
なぜか毎月2〜3万円しかなかった。

明細を見れば数千円の蕎麦殻の枕や
剣道の竹刀などが数万円に化けて
天引きされている。
教官と業者が癒着してたとしか思えない。
教官のポイポイか裏金に化けたのか。
そんなバカな!と同級生は大騒ぎだったが
警察学校の学生が警察に訴える訳にはいかない。
大人になっての初めての泣き寝入りを経験した。(県警ではそんなことはないらしいと聞く)

当時警視庁警察学校は学生だけで2000人。
学校長が転勤すると選別に2000円、新しい
校長には祝儀として2000円が徴収された。
校長になって学生から400万円、数年後に
転勤してまた400万円。数百人はいた
教職員からはそれぞれ階級に応じて万単位以上。
「校長は一回の転勤で家が建つ」と噂され
ていたが概算で1500万円ほどか、
あながち噂は間違ってない。
そんな美味しい副収入は、
もちろん税務署に申告などしない。

警察を退職後数年経って同期が結婚式に
呼んでくれた。久しぶりに会う教官が、
結婚する同期が出世できるように出席してる
署長にお金を渡すから出席してる同期のみんな
山田も出せと言う。どんな類いのお金??
ご祝儀出してるしもう退職して久しいのだから
見も知らない署長には出さないと答えると
学生の時のように説教された。

一事が万事。
不思議な笑えるエピソードは
一冊の本が書けるくらいある。
この本は1988年私が大学を卒業した
古い本だけど、大きくて閉鎖された組織の
体質なんて何十年経ってもそうそう
変わると思えない。
そんなことも今ではぜ〜んぶ笑い話。

さて、もちろん農業にも闇があって。。