60kg

米農家はkgやトンで会話しない。
米農家の単位は現代でも俵(ヒョウ)
1俵は60kg。
お米が詰まった紙袋は1袋30kgだから
2袋で60kg=1俵(イッピョウ)。

AIの時代に一袋30kgの重量物って
他の業種を見渡してみてもなかなかない。。

30kgが持てないと仕事にならないけれど
腰や肩を壊す農家や米屋は多い。
私もこれまでに数えきれないくらい
ギックリ腰をやらかしてきた。

東北や北海道の平野に比べ
生産効率の劣る山の中の田んぼだけど
男一人が一年がんばるとそのご褒美に
こうして何百俵ものお米が
お天道さんが授けてくれる。

お米の重みは自然からの恵そのものの重さ。

現代はインターネットにコンサルタント、
カウンセリング流行りの世の中だけど、
言葉の世界から転職して来た自分は
28年前初めての稲刈りを終えて
手にしたお米の重さに、理屈抜きで
心底安心したのを今でもよく覚えてる。

一袋30kgは歳を重ねると流石に
重過ぎるけど、言葉の世界にない
安心感は今でも確かで間違いがない。