ゆっくりゆっくり

穂が出てお米一粒一粒に花が咲いて受粉すると
真っ白な液が籾の中に送られていく。
ゆっくりゆっくり。

やがてその真っ白な液体が固まりお米になる。
ゆっくり太っていく籾を見てると
まるで稲=お米のお母さんが
子どもの籾に毎日お乳を飲ませてるみたい。

穂が出て花が咲いて受粉して
ミルクが送られて籾がミルクで一杯になって
固まって熟して僕らの知ってるお米の形に
なるまでにだいたい35〜40日。

ミルクは稲穂の先っぽの方から送られて
籾と穂は重くなってだんだんと頭を下げてくる。

受粉できなかった穂にはミルクが
送られることも穂が垂れることもない。

穂が垂れてくるのは無事に受粉して次の命の
リレーが始まった証拠。
だからうれしい。
穂が垂れてくるってのは無性にうれしい。