殺さず描けばいいのに

渋谷BUNKAMURAで中国映画「罪の手ざわり」

早過ぎる変化に伴う現代中国の矛盾や軋轢を描いたカンヌ映画祭脚本賞受賞作。

 

搾取の権化・炭鉱経営者を労働者が殺し、田舎に残した家族のために強盗殺人を繰り返し、お金持ちに体を買われそうになった女性が相手を殺したり、田舎から出てきた若者が絶望して自死したりのセンセーショナルな全4話のオムニバス。

 

いずれも死を最終点に描いてしまったけど、もうちょっと深く静かにより辛辣に矛盾を描き出す方法はいくらでもあったのではないだろうか。

4話を無理やりつなげようとした手法にもちょっとあざとさを感じてしまい、映画のつくり方自体に現代中国の問題を感じてしまって、期待して見に行った分ちょっと残念でした。現在名古屋でも公開中。