放射能測定のウソ

「放射能測定のウソ」マイナビ新書刊・丸子かおり著。

本屋さんは、新しい発見をくれて楽しい場所でだけど、お蔭で我が家の本エンゲル係数はかなり高い(涙

今日こそは「何も買わないぞ!」と心に決めて本屋を覗き込むと「ああっ・・」放射能測定を業務にしているから、こんな題名の本の前を素通りする訳にはいきません。

「放射能測定のウソ」きっと出るだろうと予想していた内容の本。

 

前半は主にガイガーカウンターの性能について。以前から私が言いたかったことがほぼそっくり載ってます。簡単に言うと、数万円のものはおもちゃ程度の性能しかない、もちろん食品や土などは測れない、数値は信用できない。ガイガーカウンター買った人は、かなり残念に思うに違いありません。(もし買うなら堀場製作所のシンチレーション測定器がいいですよ、著者も私も推薦)

 

中盤からいよいよ食品、土壌、水など私が携わっているベクレル表示の本格的な放射能測定について。一般には体重を測るように放射能もデジタルでポンと測れると思われがちですが、そうはいきません。

ちゃんとした測定器で、ちゃんとした知識、ちゃんとした校正、ちゃんとした測定方法が揃わないと正確な数値は出せません。

これから読みますが、多分内容はそんなところ。

 

首都圏のとあるチェーン測定所のようにチャカチャカポンといとも簡単に放射能数値が出せたとしたら、それを私は「放射能測定」とは呼びません。

例えば測定器のメンテナンスなどは、ピアノの調律を毎日するようなもの。室温は常に一定に保ち、毎日地道にバックグランドを測り、ウランやカリウムの線源で測定器の校正作業を必ずしなくてはなりません。

 

ところが実際には、これらの知識や作業なしで「放射能測定」を謳って営業する測定所も多いのです。いい加減な数値でも、その数値が、仕事、生活、大げさに言えば人生にだって多大な影響を与える可能性があります。放射能測定はいい加減にしちゃいけない、責任の重い業務です。

放射能測定にウソがあってはイケマセン。