困ったとき

伊勢神宮の帰り道特急ホームに向かうと
階段の途中で床にべったりヘタリ込んでいる
おじいさんがいた。

そこはすごくたくさんの人が行き交う階段
なのに誰一人としてその人に声を掛けて
あげる人がいない。

聞けば可哀想に、脊柱管狭窄症の病院帰り
だけど痛くて立てないと言う。
駅員を呼びましょう、いやもう少し待てば
立てる、の押し問答の末
「困った時はお互いさま!」と
駅員さんを探しに走った。

私が話しかけるまでどれくらいの時間
一人で床にヘタリ込んで痛みに耐えて
いたのか。
どれくらい多くの人が声もかけずに
その脇を通りすぎていったのか。

外国のことをいろいろバカにするけれど
こんな日本って情け無いじゃないか。
そんなことを思うと無性に腹立たしく、
悲しくてたまらなくなった。

元警察官だからなのか、なんなのか
私は今日のようなことからここでは書けない
ような生死に関わるほどの大きな事件事故に
遭遇する確率が明らかに高い。
例えば火事なら🧯を手に消しに行ったのが
今まで4回。最後の1回は自分自身
「あ、やばい、火に巻かれる...」
事情通曰く「事件の起きるところに山田あり」

そんなことが重なって、いつの頃からか
例えば電車のホームに立つときは
「誰かが線路に落ちたらすぐ助けに向かうぞ」
と無意識に周囲を見渡している自分がいて
苦笑する。

「困った時はお互いさま」
いい言葉だと思う。