熊を撃つ

「熊を撃つ」岐阜県のうちよりもっと山奥の
集落に暮らす猟師達に同行した写真集。

私が出会った中でベスト3だと感じる写真集は
風景がここ福地と似ているからか。
それとも著者が猟師と何年も同行して得た
息遣いまで感じられる写真と思慮深い文章が
そう思わせるのか。

今話題の熊。
子供が犠牲になる前に危険な熊は殺すべき。
多くの報道を見て、私もそう思うのに
どこか何か大きな忘れ物している気持ちに
させられるのはなぜだろう。

熊猟のこの写真集から忘れ物がなんだか
自分なりに見えてきた気がする。

何年も猟師と帯同した著者が、撃たれて
解体前全身の毛を剥いだ熊の「全裸」の
写真だけは猟師から撮影を止められる。

そこに熊の命への威厳や畏怖がある。

撮られてないのだからその写真は
存在してないし、もちろんこの写真集には
載せられてない。
ところが、その存在してない、見てない
一枚の写真こそがいつまでも私の心に残る。