市川崑「野火」4K

中学生の時に読んで印象深かった
大岡昇平原作「野火」の映画1959年市川崑監督。
この映画を観るのは3度目か。

太平洋戦争中のフィリピン戦線で、
戦死と飢餓、仲間の人肉まで食べた
日本敗残兵たちの物語。

1959年市川崑の白黒映画が4Kになって上映。
こういう映画を観ると勇ましさや名誉が
いかに胡散臭いものかを思い知る。

当時はお金がなく海外まで撮影に
行けなかったから、よく観るとこの映画の
背景は日本の森だとわかる。

原作に力があると誰が演じても監督しても
今でも十分心に訴える作品。

迫真の演技に若い時の船越英二に
ミッキーカーチス。

勇ましいことを言う人、名誉を重んじつつ
人を利用し踏み台に使う人には、時代を
超えて警戒しないといけない。

(名古屋 伏見ミリオン座 戦後80周年上映)