ほぼゼロ

うちの自治会は20軒ほどあるけれど
そのうち20年後にまだ残って住んでるかもと
予想できる家は僅か1-2軒。
それも生きていれば85歳になってる。

今は赤字でも細々と続けてもらっている
農協の小さな店舗もガソリンスタンドも
ATMも町役場の出張所も20年後には
間違いなくない。

ほとんどの田畑は放棄され荒地になり
人間の数倍の猪や鹿がそこら中を闊歩する。
僅かに残った家は獣害対策に高い柵で
敷地を囲い人はその中で暮らす。

人や車が通らなくなった道は行政でも
管理できなくなり、水路も埋まり、
廃屋は動物たちの棲家になる。

これまでの20年とこれからの20年では全く
比較にならない衰退のスピードが待っている。

全国の市町村が危機感を持って進めている
移住者促進政策も、結局はごく僅かな移住者の
ために将来も行政サービスを維持しなくては
ならない行政自体の大きな負担になって
戻ってくる可能性が極めて高い。

行政自身も人員削減が避けられず
一人の職員の負担が増大する中で、
町全体の住民が極端に高齢化するのに
特に人口減の激しい地域などには構って
いられなくなる。

15年ほど前にここの小学校は廃校になった。
最後の全校生徒は9人だった。

どんどん人口が減り猪や鹿が増えて、
獣害で放棄せざるを得ない田んぼが増え
今年からお米作りは半分の面積に減らした。
その半分の優良農地にもついに毎日鹿や獣害が
出だし、高い柵で囲むことになってしまった。

これらはここに限らずいま日本中の
田舎で現実に起きていること。

そして、これからの20年で起きることは
予想ではなくほんとうに起きること。