一番弟子酒井くんの稲刈り

バイクでユーラシア大陸を横断し
元4回戦ボクサー、フルマラソンを走り
野球ではピッチャーの私から見たら
バケモノ酒井くんは私の一番弟子。

他にも何人かお弟子さんがいるけれど、
お米の基本的な作業くらいしか教えてなくて
それぞれ好き勝手な農法をしてる。
個人個人好き勝手な農法が一番一番。
うちでの一年間の研修が終わったら
田んぼはそれぞれのサンクチュアリー。
一切口は出さない。

酒井くんの収穫は、うちのような
大型コンバインでなく手間はかかるけれど
小さな機械を駆使して、昔ながらの
ハザ掛けでお米を乾燥させる。

有機農業の方が上だとか、大型機械を
持ってるのがすごいとか、逆に全て
手作業にこだわってるのが素晴らしいとか、
そんな幻想は犬と鯨とニワトリとカエルの
どれが優れてるかを比較するようなものだ。

犬は鯨よりずっと小さいし、
鯨はニワトリのようには卵を産めない。
ニワトリはカエルのように泳げない。
どっちが上だなんてない。
どっちが好きかはそれぞれあるけど。
どの動物も他の動物を羨んだり
他の動物になろうなんてしないで
自分のいのちをまっとうしてる。

農家が偉いとは思わないが、同じように
例えば国会議員が偉いともまったく思わない。

酒井くん、怪我なく無事に稲刈りを終えてほしい。