素養

ラリーのプロメカニックをしていたと言う
大谷さん(中央)はこの春から隣村で
野菜米農家としてスタートを切る。

最近は才能ある人がどんどん農業界に
参入して来てるのは喜ばしい。
ただ彼の様に尖った才能を持ち冷静な
経営判断ができる素養を持った人は
かなり珍しい。

自然+食+環境に憧れるのはいいけれど
どう見ても「この人は農業をなめてるな」
と思わざるを得ない農業希望者と
会うことも多い。

夢は大いに語れるけれど、肝心な売上計算や
経費計算が全くできていなくて驚かされる
のは、もはや農業希望者の一つの特徴
と言ってもいい。

農業に限らず、自分でことを起こすなら
簡単な計算くらい、例えばラーメン屋さん
を開くなら原価計算や客単価に水道光熱費
くらいは計算するはず。
ところが、農業と言う曖昧な言葉が
いけないのか。
夢や希望だけで現実やお金が追いつかず
去って行った人を何人も見て来た。
計算もせずにうまく行くほど世の中は
甘くない。

そう言う私も農業始めた29年前は
まるで経費や売上計算などしてなかった。
忠告してくれる人もいなかった。
今考えたら生き残って来れたのは
ほとんど奇跡に近い。

ただし今は以前より格段に農業経営を
取り巻く環境は厳しくなってる。
それでもそんな大波にも負けないぞと言う
エンジンや羅針盤を持ってる人には
農業は人生を賭けた価値ある仕事に
なるに違いない。

大谷さんには次の世代を引っ張るだけの
素養、人柄、技術、考えが備わっている。
この人は必ずうまく行く。