強(したた)か

植物は、ひょっとすると
人間の戦争や経済を使って
子孫繁栄を企んでいるのではないかと
思わされ気付かされるような本。
植物は実に強か(したたか)。

著者の稲垣さんの本は何冊か読んだことがある。
彼は植物を擬人化してその生存戦略を
面白く伝えるのが得意な植物学者。

植物学者なのに日本史や世界史にも精通していて
人類の歴史と植物(作物)の繁栄を絡めて
こんなにもわかりやすく説明しちゃうなんて。

学者や偉い人の本はともすると文章を
わざと複雑にしたり、専門家ぶる傾向にあるけど
ほんとに頭のいい人は素人にも
分かりやすい文章に徹することができる。
稲垣さんは実に文がわかりやすい。

文が分かりやすい。
それは稲垣さんという植物学者が
植物から学んだ強か(したたか)な
生存戦略なのだと気づいた。