雨×会田誠さん

例年なら本など読む体力も気力もない
稲刈り時期も、連日の雨で夜更し読書。

エロ、グロ、ロリと評される作品が有名
画家会田誠さんは同じ歳。
そんな作品は特に女性に嫌悪で見られ
私ですら「ちょっとこれは。。。。」と
直視するのを憚られるものも多い。

それでもそのエロ グロ ロリの向こう側に
何かがある予感が以前からどうしてもしてて
この本を読んでみた。

本の帯通り画家なのに文章が確かに上手い。
それよりも驚いたのは
各地で物議を繰り広げてきたエログロ作品とは違い
その文体は謙虚繊細正直誠実ピュア。
世間では彼のことを天才と呼ぶ向きもあるが
自分を三流画家と呼び、常に自由であろうとする
姿勢やバランス感覚は天才なんかじゃない。
当たり前だけど一人の人であって天才なんて
評されるには迷惑しているだろうな。
そんな人だと感じた。

作品を通して社会のあり方と接し方、
自由と不自由、芸術と反権威主義。
共感できることもたくさん発見できた。
危ない危ない、この本を読まなかったら
私も彼のことを単なるエログロロリ画家だと
勘違いして終わってたかもしれない。

現象や作品の表面ではなく、その奥の彼が
抱えていることや視点に少しだけでも
触れた気がして嬉しかった。

彼の作品は実験であり挑戦状なんだな。