朝焼け

こんな見事な朝焼けを見るのは
何年ぶりのことだろう。

前回はインドネシアの
バンダアチェ州の奥地のことだった。

そこに行くにはメダンという大都市から
現地友人の車で山道を一晩中
狂気のスピードで爆走しなければならない。
友人の運転は荒いなんてもんじゃない。
それはまるで拷問のようだった。
一晩中恐ろしい無理な追い越しと
無理にも程がある狂気のコーナーリングの連続
「だめだ!もう死ぬ!」と100回以上叫んで
それからは固く目を閉じてひたすら
この拷問が無事に終わることを祈った。
寿命が数年縮まった。

そうして10数時間一晩中揺られに揺られ
着いたのはコーヒー園の広がるイスラム教の寺院。
そこは、ちょっと前までは内戦状態で治安が悪く
無政府状態の地域だった。

その時の私の役目はなぜか
その地域のコーヒー豆のシンジケートのボス達と
接触して話しをすること。
そのために私ははるばる日本から
インドネシアに召喚されたのだった。

インドネシアの友人たちからは
「この辺では日本人と分かったら襲われるか
誘拐されるから、合図するまでは
車の中で隠れていろ」と忠告され、
車の中で伏せながらも
夜が白々と明け見事な朝焼け空に
なったのを思い出した。

海外ではいろんな危ない目に遭っているが
この時もいろいろ危なかったな🤣