2015年

8月

31日

ルンタ

ご近所の犬の名前「ルンタ」

語源はチベット語で「風の馬」の意。

映画「ルンタ」はチベット僧の中国の弾圧に対する焼身自殺抗議の背景と実情を描く。


私の初めての海外旅行は中国チベット一ヶ月の旅、大学2年の時だった。

まだまだのどかだったチベットの首都ラサも、当時から政治的に度々封鎖されていた。


氷点下20度以下、シルクロードから遠路オンボロバスで4~5000m級の山々を超え何日も揺られ続け、富士山の頂上と同じ標高のラサに着いた時には、高山病&高熱とひどい下痢に見舞われ完全にノックアウト「死ぬかと思った・・」。オンボロバスからやっと降りる時には、全く歩けず何人もの中国人に担いでもらい、そのまま病院に直行だった。


病院ではおなかの中で回虫卵が大量に発生していることが判明し、太い注射を何本も打たれたが体力は回復せず、あこがれのポタラ宮殿に登れなかったのが今でも悔しい。その代わり河原で現地の子供たちと遊んだり、チベット人の五体投地を日がな一日眺め「宗教とは?人間とは?」と考えたのを覚えている。

今では漢族が大量ガッツリ入り、これでもかこれでもか観光になってしまったラサも、30年前の当時はのどかで静かなインパクトある聖地だった。


さて、ダライラマ14世に後継者が二人いることをご存じだろうか?二人の後継者が登場した経緯を知らない方は、ネットで検索してみるといい。私は親中派だが、中国、これはいかん。

その経緯自体も中国のチベットに対する迫害のほんの一部だが、一事が万事、脅迫、誘拐、暴行、死・・・。


中国国内では親しくなった友人ともチベット問題を会話に持ち出すことはご法度だ。

温和なイスラエル人が  のことを話題にすると表情が急変し、とめどなく罵り続けるのと同じで、中国人にとってチベット問題は最も外国人には触れられたくないアキレス腱に違いない。


同じくシルクロードのウイグル族も迫害されているが、チベット人のように焼身自殺抗議はしない。なぜチベット人は焼身自殺抗議をするのか不思議だったけど、この映画でその深い理由が分かった気がする。怒りを相手にぶつけるのではなく、自分自身の体を文字通り燃やす行為。

15年3月までに中国の圧政に抗議して焼身自殺したチベット人127人。

拷問された人数知れず。


中国国内の大量の核廃棄物の捨て場はチベットで、放射能汚染が甚だしいことはチベット好きな人にも意外に知られていない。