「教授」とはこういう人を言う

一人立ちの時が来た。

今まで17年間ず~~~~~っと一緒に農作業して下さった親愛なる「教授」(昭和6年生)が体調を少し壊され、少し大事をとることになったのです。

 

「教授」とは、農業を始めて最初の年から私がお呼びしている呼称で、大学の教授よりももっともっと知識や経験が豊富で、人格的にも素晴らしい方だからと失礼ながら初めてお会いした時から勝手にそうお呼びしています。正確お呼びするとしたら「大学教授など足元にも及ばない素晴らしい方」なのだが、これでは長すぎるので短く「教授」なのです。

怒ったところを見たことがない、人の悪口を言わない、いつも笑っている、仕事が大好き・・・つまりは私と正反対の性格なので、人格的に素晴らしいということなのです。

彼は言葉少なだけど、長い時間で農業だけではなくいろんなことを教えて下さいました。こう言う方を本当の「教授」と言うのです。

 

彼の仕事好きと歳を拾ってからもバリバリの体力に、村の人達は畏敬の念を込めて、彼をこう呼ぶ・・「怪物」。

事実、信じられないことですが、ずっと若い私が未だに彼に体力でついていけないことがあるのです。

あまりの元気さに「一体何食べてんですか?」と17年間で彼に同じ質問を繰り返した回数は100回は超えるだろう。

彼は笑いながら「ニンニクや」と答えるが、本当は「ガソリンか何かを飲んでいるに違いない」と私は睨んでいるのです。

 

本当に17年間ず~~~っと一緒させていただいたから、何をするにも仕事はお互い「あ・うん」の呼吸。その教授が、たまにしか来れなくなると非常にさみしい。

と言うか、本当にこれまでよく私のような者にず~~~っとお付き合い頂けたものです。彼がいなければ今の私は絶対にありません。

さて、一人立ちの時が来ました。

とはいえ、たまには顔を出して下さる。

明日もちょっとだけ一緒に仕事ができる。嬉しい。