2006年の本

アマゾンからやっと一冊の原発関連の本が届きました。簡単な内容だったので1時間で完読。

原発が悪化すれば被災地ばかりでなく避難民が格段に増えることになります。

核は神の領域です。大事な生活も仕事も経済も環境も広範囲に一気に吹き飛ばす可能性があります。 

今何が起きているのか、情緒的になり過ぎず、かつ思考停止しないようにしようと思います。

 

2006年に書かれたこの本、東海地震で浜岡原発(静岡)が、首都圏に壊滅的被害を及ぼすかを分かりやすく解説しています。東海地震と今回の地震とが違うだけで、大地震で原発がどんなトラブルを起こすかほぼ正確に書かれた、今回の原発事故を予言していたかの様な本です。

 

読み進めていくと辛くなります。いかに原発が私達の持つイメージとはかけ離れ、いい加減に作られ管理されているかが分かります。内部告発のページでは3名の方。なんと!浜岡原発設計者本人の耐震偽装、なんと!「有害」セメント骨材を偽装して一括納入していた業者、なんと!アメリカから日本に原発が導入された時の米国ジェネラル・エレクトリック社技術者の原発危険に対しての内部告発が実名と写真入りで紹介されています。3人とも「えらいもんを作ってしまった」と、良心の呵責から悩んだ上での勇気ある告発です。

ちなみにテレビによく登場し、原発の状況を「現在は~」と説明している原子力保安院の西山審議官は、ついこの前までは通産省でTPPなど貿易交渉などされていた方で、原発についてはズブの素人な訳で、そもそもそこもオカシイ。

 

この本を読んで、素人の私でも今回の原発は冷却不能~複雑に入り組んだ高圧配管が破れ~水素爆発~より配管が損傷し~冷却不能~空炊き~そしてメルトダウンの危険性までが頭の中で映像化できました。

驚いたのは、原発は無数の配管の化けモノだと言うことです。大量の高圧・高温の蒸気が通る配管の消耗は急激で、原子炉付近の一番交換が必要な配管が放射能汚染で交換できず、地震が無くてもよく事故を起こしています。容器は強いけど無数の配管がどうにも意外なほどもろい。

多くの配管は高圧・高温の膨張を繰り返すため地上から固定できず(固定すると膨張で壊れてしまう)ぶら下がり型の不安定な格好になります。そこで地震・津波・余震・水素爆発などが起きている訳です。 

現状は一般な楽観論からはかけ離れていて、多分各機配管の損傷は複数個所で修理は困難を極め、原子炉ダメージと時間とのギリギリの綱渡りをずっとしているのだと思います。どうにも、4基同時にダメージを負っているのがマズイです。

 

さて、計画停電は夏もあるそうですが、2004年に東京電力は管内の原発17基全てが不祥事発覚で4月~数か月停止したことがあります。ところがその夏の電力ピーク時でも一切停電は起きていません。原発が無くても東京は何の問題もなかったんです。実は日本中の原発が止まっても電力は全く足りているんです。

なのに、なぜ計画停電が長引くのでしょうか?よく考えてみましょう。

その辺は東電は天才的です。