秩序

こんな大震災に見舞われたら、海外の多くの国では混乱に乗じて暴動や略奪が確実に起こっているはずです。日本はこんな時でも秩序を重んじる、改めてすごい国だなと思います。

ところがマスコミではなかなか報道されにくい問題も起こります。神戸の時には少なからず被災空き屋に泥棒が入っていました。ある空き家には「泥棒さん、良心に恥ずかしくなければどうぞお入りください」と玄関に張り紙。

神奈川県のとある町からトラックで「救援活動」と称して日用品を安く大量に買い入れて来ては、被災地でチャッカリ何倍もの値段で売り歩き、夜だけ宿舎としてYMCAに帰ってくる商売人もいました。そんな値段でもみんな困っているから買うんですね。彼は救援物資では手が届かない、でも欲しい商品を買い揃えるのに長けていました。

ある全国新聞の取材者は「より悲惨な事例はないか?」とネタ探しに度々事務所に来られ、忙しくしているスタッフの不信をかい、実際誇張された記事を目にして抗議したこともありました。

ボランティアの中にはカメラ片手に明らかに興味本位で来る人、YMCAに到着するなり「何も持ってないので食べ物を下さい」と後先考えず何の準備もなしでただ来てしまった方、ボランティア同士の出会いを主目的に知り合った男女で酒盛りしている人もいました。

これらは真面目なボランティアが大多数を占める中、全体の中ではもちろんごくごく一部ではありますが、規模も桁はずれな災害の長期化する援助復興活動の中で、これからいろんなことが起こるのだろうなと思います。