ああ、もう何が何だかわからない~

中国の今の変化のスピードを文章や写真ではとても説明することは難しいです。写真は写す事ができますが、受けての私たちが映っているものを知らなければ(例えばリンゴを知らなければリンゴを認識できないのと同様に)中国の変化のスピードを理解することは本当に至難の業なのです。

百聞は一見に如かずとは言いますが、以前の中国を知らなければ現在までの変化を知ることもできません。

 

そういう自分も変化のあまりのスピードには驚くばかり。幸運にも?ここ数年間(多分6.7年)雲南省の同じ農村を見ることができました。そこで肌で感じることは、7年前、いや、去年と今年とを比べても日本では考えられない位に劇的に村は変化したと言うことです。

劇的という言葉しか思い浮かびませんが、そこが日本人の悲しい表現力の限界・・・今日一日でも中国のいたる所がまた大きく変化していることでしょう。

去年一年間で中国が建設した高速道路の延長は4000kmと言われています。日本の高速道路は全長9500km・・この距離を作るのに日本は実に40年の歳月を費やしました。中国は日本が40年掛かった高速道路建設の約半分を去年一年で作ったことになります。

 

23年前私が大学生の頃に旅した中国はみんな貧乏でした。

車もあらゆる物も全て古めかしく、何気なくライターやティッシュを出せば珍しがって人垣ができたものです。安物のカシオのデジタルの腕時計でも特に珍しそうに覗き込まれたり、小さな町を歩けば、初めて日本人を見たと言って子どもたちが私の後をゾロゾロ大名行列のようについて来ました。

 

つい5年前も雲南の農村では、やはり私の携帯電話を珍しそうに覗く人垣がありました。

その一年後には携帯を持つ農民がポツポツ出始めました。

その一年後にはなんと農民の全員が携帯を持っていました。

そのまた一年後には、ほとんどの携帯電話がカメラ付き携帯になっていました。

去年、農村で初めてノートパソコンを見ました。

そして今年、多くの農家がトヨタの新車(中国トヨタ)を購入していました。 

来年はどんな変化があるのでしょう・・?

これはほんの一例で、全てがこんな感じで変化しています。

 

ついつい変化や事象を、いい、悪いで判断してしまいますが、そんな風に判断していたらきりがありません・・ある農家の台所では薪の釜戸がまだあり、その横はガスコンロ、そのまた横がIHプレート、その3つの火で同時に料理がされていました。今の中国を象徴している台所の火だなぁ、そんな風に思いました。こんな風景日本では見られません。

 

私も持っていた中国は遅れていると言う一般的な常識は、モノ(物質)については改めなければなりません。もう中国に対して日本は物質なアドバンテージはない!と言うのが私の感想です。 

 

今までは中国を旅行している時、日本製の時計や携帯電話やカメラ、小物を持っていることで、「おお、日本人はいいもの持っているな=日本は進んでいるな」と言う雰囲気が多少ならずともありましたが、雲南の農村ですら日本の物質的なアドバンテージはもうありません。

 

さあ、私=日本人、モノ(物質)ではなくて、これからはどこに拠って立つ?

(写真 世界のブランドがひしめく上海の繁華街)