靖国神社と九段会館

明治以降国にために殉じた軍人軍属の
「英霊」が合祀されている靖国神社。
多くの兵士が「靖国の桜の下で会おう」と
戦友と約束し合って戦死していった。

靖国には、あくまでも日本国目線での
「戦い」で亡くならないと合祀されない。

よって有名な軍人であっても死因が戦死でない
 西郷隆盛(逆賊)、東郷平八郎(老衰)、
乃木希典(殉死)らは意外にも合祀されていない。

逆に昭和50年台だったかA級戦犯13人は
合祀され、そのことがきっかけでそれ以降
三代に渡り天皇による靖国参拝はなくなった。

「英霊」と呼ぶのであれば、日本政府には
いまだに海外に残された数え切れない
旧日本軍兵士「英霊」の遺骨をしっかり収集
してもらいたい。

海外が遠過ぎて無理ならせめて沖縄の遺骨を。
それも無理なら、せめて沖縄の遺骨混じりの
大量の土砂を、辺野古のかつて敵として
戦ったアメリカ軍ヘリポート基地の
埋め立てだけには使わないでほしい。

いや、遠い外国まで赤紙一枚で連れて行かれ
無念の死を迎えた人たちはどれだけ日本に
帰りたかっただろう。
日本政府の名と責任の下に無念の思いで
戦死、餓死していったご遺骨は
どこであろうと帰国させてほしい。

都合のいい時だけ「英霊」扱いするのは
不遜だと思う。
私はいつの日か時間ができたら海外か
沖縄の遺骨収集団に加わりたいと思っている。
どうやら70歳の年齢制限があるらしい。

ちなみに明治以降、戦死したら自動的に靖国に
合祀されるシステムが続いているけれど
台湾人や朝鮮人など旧植民地出身で日本軍
として戦た方々、または日本人の中にも
「戦死後までも国家に利用されたくない」と
靖国神社への合祀を拒む遺族もいる。

靖国神社の下に九段会館(旧軍人会館)。
もう36年も前。
警視庁警察学校の何かの行事で一度だけ
九段会館に入ったことがある。その時
2階に上がる木の階段で「んんん?なんだ?」
と言葉にできない異様な感覚を感じた。
軍人がそこにいるような、見られてるような。

広い宴会場で昼食を食べている時もずっと
その気持ち悪い感覚は続いた。
見られてると言うよりたくさんの
軍人の気配を感じる。
周りの人は誰も何も感じないと言う。

九段会館は今は大改装されて当時の雰囲気は
あまり残ってないけれど、靖国神社に来ると
その時の感覚が今でもはっきり思い出せる。

久しぶりに今回靖国から九段会館を見て、
あの時の感覚はなんだったのかな?と
調べてみた。
すると出るわ出るわ、九段会館の階段と
宴会場で私が感じたのと同じ心霊現象が。
やっぱり私だけが感じたことじゃなかったんだ
多くの人も同じように感じたことを初めて
知った。

靖国神社では何も感じないのにな??と
更に調べてみると、靖国神社は安らかな場所、
九段会館は軍人たちの念の残る場所と
説明されててとても納得がいった。

人は死んでも念を残すのだろうか。
だとしたら十分に弔って、故郷に帰して
成仏してほしいと思う。
もうすぐ終戦80年を迎える。