ぺぺ桜井

東京は鈴本演芸場に敬愛するギター漫談
ぺぺ桜井を観に行く。

以前浅草演芸場でそのお姿を拝見するなり
「この人の胡散臭さは国宝級だ!」と
衝撃を受け一度にハマったぺぺ桜井。
86歳、うちの父と同じ歳がまだ
ステージに上がっていらっしゃる。

登場時には心を込めて
「よっ!待ったました!!」と
マスク越しに大声援。
いつも通りのネタが始まりいつものところで
大爆笑する。
「ああ、これぞ、ぺぺ桜井」

86歳、胡散臭さに磨きが掛かっている。
この胡散臭さと独特の間は、芸人多しと
言えど他に出せるものじゃない。
僕は遠路はるばるぺぺを観にやってきた。

漫談を終えぺぺが最後のギターを弾き終え
「さようなら」とお辞儀をしてから
頭を上げる。
ぺぺが一瞬背筋を伸ばして客席を右から左
しばし見渡す。
舞台袖になかなか下がらない。
なんだ?最後に何か一つ面白いことを
やってくれるのかと客は大いに期待する。

すると何事もなかったような
すっとぼけた顔で何もしないで
ぺぺはスーッと舞台からはけていく。

客は「なんだよ!!何もしないんかい!」と
ギャハハと笑う。
何もしないで最後も笑いを取る。
国宝級の胡散臭さをしっかり目に焼き付けた。

失礼ながら生のぺぺ桜井を観れる機会は
これが最後になるかも知れない。
うれしかった。
少しさみしくなった。
ぺぺ桜井、宝の時間をありがとう。
 
こう言うふざけた老人を無理矢理にでも
国葬にしちゃえば、世の中は
もっと楽しく優しくなるに違いない。

ぺぺ桜井、なんでこのふざけた芸名になった
のかはWikipediaに載ってた。

蛇足ながら写真のギター漫談ぺぺ桜井の文字、
どう見ても出来上がりの塗装は「へへ桜井」
マジックで慌てて○○を足しぺぺにしてる
ところがこれまた胡散臭さい。