2014年

11月

21日

農カフェ

「農カフェ」とは農業者が集まって将来の夢や希望、不安を語る会。

異業種の集まりならともかく、農業者しか集まらない会に私は耐えられるだろうか・・

 

他の業種もそうかも知れないが、農業には農業独特の偏狭さや正義や逃げ方がある。私はそういうのが苦手。

 

「農業は儲からない」とか「辛い」とか逆に「やりがいが一杯」とか「お金がなくても若さで」とか「有機農業こそが正義」だとか、農業者同士これまで散々聞かされてきたウンザリするような話がまた繰り返されるのだろうか?傷を舐め合い、儲からないことに胸を張る業界は他にそうそうない。農業者ばかり集まると、残念ながら他の世界では通用しないようなおかしな話になることが多かった。

 

でも今回は畜産や花、トマト、しいたけ、花、イチゴ・・同じ農業の枠とは言うものの、私は本当にお米以外の農業のことを全く知らないということに驚きの連続の会になった。例えば和牛の受精の話は超驚き。牛の精子はオスメスで比重が違い選別できるそうな。肛門から片腕を入れ、産道をどうのこうの。

農業も作るものが違えば異業種以上の違いなのだ!初めから終わりまで新鮮な驚きの連続で腰を抜かしそう・・心配は的外れ、この会はまさに異業種交流会そのものだった。

 

若い農業者を前に「農業は儲からない」などと胸を張りのたまう年配農業者もやっぱりいたが、全般にそういう人へは冷静な視線が送られていた気もする。儲からないのは「農業は~」ではなく、「その人は~」なのだから。若い農業者の前で「農業は~」などという刷り込みは慎むべきだと思う。


コメ作りを始めた20年も前には、農業者の集まりで名刺を差し出そうものなら「金儲け主義者か!」とか「農民なのに名刺を持っているなんて信用ならない!」とか大真面目に批判されていたのが懐かしい。名刺を差し出しただけでこの騒ぎ。当時は農業者間で名刺を差し出すことすらある種の勇気が要った。

 

流石に今では農民間でも名刺交換は当たり前で非難の対象から外れたものの、同時に名刺を持たない農業者もまだまだ多い。名刺も持たずに「儲からないんだなぁ」とか「人と人とのつながりこそ大事なのだ!」などと言ってのけ「農業はお金じゃないんだよね!」と言った口で「くそ~売上が上がらないっ!」「売り先はないけどホームページも作らない」などなど微笑ましくも不思議な平和さも農業界には健在だ。

 

さて、「農業はやりがいだ」という一見ごもっともなご意見が吹き荒れる中ただ一人、「この会に出てみて改めて思うのですが、やっぱり、私は農業は大嫌いです!」とみんなの前でキッパリ断言した若い農民がいた。瞬間思わず「おおっ、いいぞ!」と手を叩いてしまった。

彼曰く、これからも効率や生産性・収益性を極めて行きたいのだという。

野菜工場でない限り工業化できない農業はそれを極めることはできない、限界はある。でも、限界覚悟でそこにチャレンジだ!農業はそこが欠けているのだ!誤魔化さないぞ!という若者。それぐらい独立独歩の考えの主がこれからの農業をリードしていくのだと思う。拍手したい。つねにやりがいを持ち、将来の夢を持ち、お金はなくともいつも前向きに頑張る農業でないといけないなんて「おい、おい・・」息苦しいではないか。

もっといろんな農民がいていいのだ。