2013年

11月

17日

エスカレートの先

「中国に生まれなくてよかった」別冊宝島編集部編
いわゆる中国バッシング本。

日本にもどの国にもいい面と悪い面があるから、どちらかだけを極端に突出させてあげつらうのは好きじゃない。

中国で日本の悪いところばかりを総編集し「日本に生まれなくてよかった」という本がバンバン売られてたら僕らはどう思うだろう。

たった15年前にはこんな中国バッシング本はほとんどなかった。今や書店ではバッシング本が溢れかえり、こうして時代は意図されて作り上げられる。

 

戦争は「守る」という大義名分を巧みに使ってエスカレートさせたところで必ず起こる(起こす)。

尖閣諸島が危ない!北朝鮮が攻めてくる!中国が危ない!テロが起きる!危ない、危ない、ヤバイ、危ない!扇動され続け、危なさと恐怖が不均衡な感覚の中で一線を超えたところで、どの国も「守るため」にと大合唱して「攻撃」を始める。

世界中どの国の軍隊も「国防軍」を謳い、他国に攻め入るなんて言わない。なら、どうして戦争は起きるのかな。どの国の戦争も、はじめは必ず「守る」からスタートする。

 

それほど「守る」という言葉は便利で、都合よく、耳障りよく私たちを煽る力をもっている。

 

先の大戦は、ABCD包囲陣で日本は自国防衛のためと”外国に”攻め入った。

イラクには大量破壊兵器があるから危ない!とアメリカは遠路はるばる中東に出かけて先制攻撃した。アメリカ軍は劣化ウラン弾を大量に使ってイラクを破壊し、殺し、そして、イラクには大量破壊兵器はなかった。死んだ人、怪我した人にアメリカから償いなんてない。ちょっと待て、大量破壊兵器を世界一持っている国はアメリカじゃん。

 

「北朝鮮がミサイルを明日にでも日本に発射する!」と連日連夜テレビで散々煽っていたのはたった数ヶ月前のこと。

結局(予想通り)北朝鮮はミサイルを打ってこなかった。が、テレビで「今日発射か、明日発射か、日本が危ない」と散々煽り立てた人々はその後ダンマリ。ついに誰も騒がなくなり・・日本中「北朝鮮は何をしでかすか分からない国だ。ますます危ない!」という感覚だけを蔓延させて脳裏に残像させた。

 

これからますます「国益を守る」「日本を守る」「守る」「守る」「守る」が連呼される時代が来る。

 

僕らはかなり不完全で、限りなく弱い存在だから、「守る」の大合唱が、知らない間に「攻める」にならないように気をつけなきゃいけない。

多くの日本人は、実際に例えば中国人の、北朝鮮人の、イラク人の友達を持たない。

つまり本当はその国の文化や歴史もな~んも知らない。

もし”本気”で「守りたい」のなら、僕なら相手を知り、敬うことを先ず”本気”で始める。

テレビやメディアからの作為的なイメージだけを僕らの中で勝手に増幅させ続けるのはとても危険な行為だと思う。

限定的な悪意のイメージをエスカレートさせた先にある選択肢は限りなく少ない。