どうしようもないこと

私の読書の仕方はちょっと独特です。何冊も同時並行して読みます。

例えば読書室(風呂)には本を必ず数冊は持ち込んで、とっかえひっかえ読んでいきます。これが今読み始めた本の一冊です。浅見輝男著「土壌と農作物の放射性核種汚染」

 

氏は放射線の専門家ではなく、カドミウムなどの土壌汚染の専門家です。そんな視点からもいろんなことが学べます。

高濃度の放射能に汚染された地域も「除染」すればなんとなく再生しそう気がしてきますが、実際にはそれは幻想でしかありません。

ごく小さな市町村単位でも、土地を除染することは残念ながら不可能です。

 

高濃度に汚染された地域で「再生」を目指す気持ちはよくわかりますが、放射能は人の力を遥かに超えています。人は万能ではありません。

どうしようもないことはあるのです。

努力すればかなうこと、努力してもかなわないこともまたたくさんあるのです。

原発・放射能汚染問題はこれまでの問題処理の手法が通用しません。

高濃度の放射能汚染すら人間の力で除染できると思うのは一種の驕(おご)りとも言えます。辛いけれどそれを認めざるを得ません。

そんなこともよくわかる本です。