墓穴

台風の風の中、仕事場裏に仕掛けた檻にまたもやイノシシが2匹かかっている。「ああ・・かかっている・・」見なくても分かる。特有の臭い空気。気持ちは複雑。。。稲の天敵だからイノシシは憎くてたまらない相手、だから檻にかかっていてちょっぴりは嬉しい「あ~でも、またまた殺さなくちゃいけない・・・」野生のイノシシ特有の匂いが雨で増幅、臭い。彼らに長く負担を与えないように朝一番の仕事、殺処分。もう何十頭殺したのか数えるのをやめて久しい。牛も豚も鶏も誰かが殺してくれて毎日私達は食べている。

殺す前に先ず墓穴を掘る。暴れる2匹を槍で刺す。臭い。死ぬ。心臓を一突きできれば苦しませずに殺せるけど、今日の2匹はすんなりとはいかなかった。般若心経を詠む。町役場に提出するイノシシの証拠写真を撮る。生き返らないことを祈りつつ足を掴んで引き摺って墓穴に埋葬する。臭い。墓穴の土を元に戻す。捕獲檻を再びセットする。ひょっとして明日もかかってしまうのか。とてもじゃないけどスガスガシクない朝一番のお仕事(涙)