それにしても難しいお名前だ

「ブッダの贈り物~スマナサーラ長老と初期仏教の世界」学研。

仏教は出家した者だけが救われる上座部仏教(南伝仏教)と、いえいえみんな救われますという大乗仏教(北伝仏教)とに分かれます。一般的に両派は互いに批判し合って仲が悪かったりします(笑)ここ日本は大乗仏教。代表的なお経は「般若心経」です。

本の表紙、この一見いかつそうに見えるスリランカの坊さんは、その筋では超有名なアルボムッレ・スマナサーラ氏、日本では上座部仏教の第一人者で「般若心経は間違い?」なんて大乗仏教派が怒りだしそうな本も出されています。私もどちらかと言うと彼のことは食わず嫌いでしたが、この本を読んでみると彼の言わんとすることが分かってきます。

般若心経には傾倒した私ですが、どういう訳だかお寺に行ったりお坊さんのお話を聞いてみようという気には全くなれません。それは現在の日本の仏教が、初期仏教からあまりにも離れ過ぎてしまったと言うことを感じているからかも知れません。

この本ではアルボムッレ・スマナサーラ氏と瀬戸内寂聴、養老孟司、宮崎哲弥などの対談もなかなか深いものがありました。よ~く考えていくと自分なんてない(無我)、常に物事は流転して留まることがない(無常)。だから「こだわるな・とらわれるなよ」というのは、小乗・大乗をも超えた仏教の基本的な考え方です。

「仏教は宗教ではない」と以前から感じていましたが、この本で自分なりにそれを再確認した次第です。 アルボムッレ・スマナサーラ師、ああ、難しいお名前です。