40数年ぶりに敷居をまたぐ

わたしは子供のころは体が弱く、母には歩いて行ける小さな診療所によく連れていかれた。小さな頃、病院といえば地元の小さな診療所くらいしかなかった。


ずっと知らなかったが、実家のすぐそばにあるその小さな診療所は、もう何年も前から障がい者の自立を支援するNPOの施設になっていた。


さて、先日ある人から「山ちゃん、その施設見てきなさい。で、農業の仕事でそことつながって何かお手伝いなさい」と勧められた。

「ほ~、あの診療所が自立支援の施設になっていたとは!」


ではではと、さっそくその施設「そらの手工房」さんに伺ってみた。

スタッフの皆さんの案内で、そこに通う若者たちの作業風景を見せていただいた。

私がいわゆる障がい者作業所を見るのは今回が初めての機会。

作業を黙々とこなす若者たちを見て驚いた「お~っ!これは~!!」ここを見てくるようにと勧めて下さった方が言う通り、いや想像以上にそこのスタッフさんや若者たちと農業はつながれる可能性が高いことがわかった。

障がい者施設と農業、一見関係ないように見えなくもないが、こうして他の世界からお声がかかることだけでもありがたいことだ。


これもご縁というものなのだろう。

この施設、小さい時の診療所の受付や診察室はほぼ面影を留めていて、もう40年も前の懐かしい思い出がいくつも浮かんできた。

子供のころ、私は熱を出してはよくここに連れてこられた。

母ちゃん、心配かけたね、ありがとう。