馬の瞳を見つめて 渡辺はるみ 著 桜桃書房 1500円+税

 

「人間が愛情を掛けてあげなければ、ほとんど全ての馬は哀れな最後を遂げる」という、実は一般にはほとんど知られていない過酷で残酷な馬の運命を掘り下げた名著です。

 

馬に対しての愛情が深ければ深いだけ著者の憤りと辛い現実が胸を打ちます。確か文中で、日本で生まれる馬は年間2千頭か2万頭、そのうち3年生き残れるのはたったの数パーセント・・と読んだ覚えがあります。さてあとの90数パーセントの馬たちは・・・・

 

競馬などで一見華やかに見える馬の世界の裏で、実際に起きている驚きと悲しみを知り、かつ著者の動物に対する愛情の深さに静かに感動します。


馬の動物学 近藤誠司 著 東京大学出版会 3200円+税

馬の可愛さ、競馬関係の本は多いのですが、学術書として馬の生態を客観的に捉えた本はほとんどありません。そんな中、一般で馬の生態を勉強するならこの本が代表的なものになると思います。

 

科学的なデーターや脳解剖学的な記載もありますが、現実に馬を飼ってみると、この本とのギャップを感じることがいくつもあります。そこがまた楽しいところです。