豚を食べるということ

豚の頭を竹に刺し火で炙るハニ族の友人
豚の頭を竹に刺し火で炙るハニ族の友人

ハニ族の友人たちはみんな、鶏は勿論のこと豚や牛などをさばくことができます。昔の日本人もみんな出来たんだろうと思います。

それが証拠に福地の多くのお年寄りたちは、今でもイノシシをさばけます。

 

昨日まで家の一階で飼われていた豚がこの日引越祝いのためにさばかれました。

ハニ族の人たちの豚のしめ方、解体・・その手際の良さと、普段見慣れない家畜の解体に私は「うお~・・むむむ」とか小さく叫んでしまいます。

 

内臓や頭、血、骨・・・みんなはそれを当然のことと忙しく作業しているのに、それを横目にデジカメ持ってうろちょろすることしかできない、何にも出来ない自分がとても恥ずかしくなりました。

 

普段毎日のように食べている肉はこうして、殺し、解体され自分の口に入っている・・という当たり前のことなのに、これらの工程を今の日本ではほとんど目にすることがありません。それは自然な流れなのか?いや、何か大事なことを忘れてはいまいか?ハニ族のみんなが私を含めた客人のために、一生懸命豚をさばいているところを見ながら、

「でも、どうやって手伝ったらいいのかわからない・・・」

 

どうして私は何も知らないのだろう??

 これでいいのかな?

でも、怖い・・

もう一つこれ、とても鮮明な赤いの、何だかわかりますか?つい先程、屠殺した豚の血を洗面器に溜めてあるんですね。グルグル・・グルグル・・かなり長い時間かき回し続けます。こうしているうちに、泡立ってきた表面を捨てますが、そうしないと血だからすぐに固まってしまうそうです。

ゼリー状の料理になります。豚の血液ですら、捨てずに大事に利用して料理する知恵と姿勢に頭が下がります。

でも、・・なんとも・・その・・ う~ん・・食べる時に勇気がいります・・

 

毎日食べている肉と屠畜について考えてみる本

「いのちの食べかた」森達也 著  

理論社 1050円

 

この本は非常にわかりやすく、読やすく、奥深く、根深い良書です。文の漢字には振り仮名が付いていて子どもでも読め、表紙もいかにも子供向けなのですが、驚くべき内容で本当に考えさせられます。

 

いわゆる食べ物を大事にしようね~などのありがちな啓蒙本ではなく、食べ物から命、穢れ(ケガレ)、差別、だまされることの責任まで生きていくことや社会を構成する要素まで広範に問題を掘り下げています。

 

繰り返しますが、これほどまでに非常にわかりやすく、読みやすく、奥深く、根深い良書を私は知りません。(同名の映画がありますが、内容は全く違います)森達也さんの本は他にも何冊か読んでいますが、子どもから大人まで広く知られて欲しい一冊です。

 

簡単なことを難しく解説するのは簡単ですが、難しいことを簡単に説明することはその何倍もセンスがいりますよね・・そのよいお手本のような本だと思います。

世界屠畜紀行 内澤旬子 著

解放出版社 2200円+税

世界各国の肉の作り方が楽しげなイラストと共に紹介されています。モンゴル、チェコ、バリ島、韓国、そして日本は東京7芝浦と各国の職人のすご技に唸るばかり。出てくる人物も、内容もすごくカッコイイ本で屠畜のイメージが一度に変わりました。

それにしても、ああ・・やっぱり僕=日本人はあまりにも屠畜の事を知らなすぎるなぁ・・